2013年07月02日

憲法改正 その2

 

 憲法論議については様々な論点がありますが、その中で私が一際関心を持っているのが、47条です。


「現行憲法」

47条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

「自民党改正案」

47条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない。


 現在、一票の格差の憲法訴訟では憲法14条の法の下の平等に照らして、2倍以上の格差は違憲とされてしまいます。さらに2倍以内であっても、できるだけ1,0倍に近づける努力が求められています。
 そこで47条を「人口を基本とし」とすることにより、機械的に人口のみに依拠することのない選挙制度を容認することができるようになるわけです。

 もちろん、政権党が恣意的に、自分たちに有利な選挙制度を改悪することはあってはなりません。

 しかし、単純に人口のみに依拠すれば、投票率60%の選挙区と30%の選挙区では、人口が同じであっても、投票者の一票の重みは2倍の違いが出てしまうのです。


 また、機械的に一票の格差を是正すれば、地方の声はますます届かなくなってしまいます。47条の改正により、そこに幾らかの緩衝的な措置が可能になることは、政治の再配分機能を果たす上でも、非常に重要なことだと考えます。





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2013年06月30日

憲法改正 その1

 憲法にはたくさんの論点があるものの、96条の発議要件が厳格に過ぎるため、実際には一度も改正はされていません。

 私は、最高法規たる憲法については、国民が改正の是非を判断できるようにすることが、国民主権に適うと考えます。

 現状では、国民の過半数が改正を求めても、国会議員の1/3超の意見で改正(発議)を阻止することができます。すなわち、国民主権ではなく「政治家主権」の状態になっているのです。

 したがって、まず、96条の発議要件を2/3から1/2に改正すべきであると考えます。

 その後、他の論点については、国民的議論の熟度に合わせて、国会が適切な時期に発議し、国民投票にかけるのが穏当と考えます。


 しかし、実際には国民投票で過半数を獲得するのはかなり難しいことです。発議要件を緩和したとしても、国民投票があることで、硬性憲法の性質は大きくは変わらないでしょう。

 再度申し上げますが、私は「憲法を改正しやすくする」ために改正要件を緩和すべきと言っているのではなく、「国民が憲法を決める」ために緩和すべきという立場です。


 しかし、ここで非常にパラドキシカルな推考が存在しえます。

 衆参で2/3以上の勢力が96条の先行改正に賛同し、国民投票が行われたとします。しかし、最近の世論調査では、憲法改正自体には賛同が多いものの、96条改正は反対の方が少し上回っています。

 そこで、96条改正が国民投票で否決されたとします。

 すると、憲法改正を国民が拒否したということは、国民が現行憲法を承認したという理屈が成り立ちます。ここで「自主憲法制定」が理論上達成されたとも言えてしまうのです。 


 憲法を改正しようと進めた手続きで、憲法が改正できなくなるという珍妙な現象が起こってしまうのです。


 こう言ったことを総合的に勘案すると、私は憲法改正についてはもう少し国民的議論を深めていく必要があると考えます。


 余談ですが、憲法改正について自称「護憲」と呼ばれるスタンスがあります。しかし、社会主義や共産主義においては、憲法ですら共産党の指導のもとにあります。

 社会主義や共産主義を標榜する政党が「護憲」を唱えることに、私は違和感を禁じえません。



posted by 長峯誠 at 00:02| 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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