2013年06月17日

危機管理

 私は市長として新燃岳噴火、口蹄疫、そして数々の風水害の危機管理を経験してきました。

 災害や危機事象への対応は、災害対策基本法第5条に則り、最前線である市町村が責任を持って対応します。地理・資源・人脈に精通した市町村が第一義的に動くということは大変合理性のあることです。

 しかし、私の経験上、いくつかの問題点もあります。

 まず、低頻度の災害については知識や経験が不足しがちであることが挙げられます。例えば新燃岳は300年ぶりの大噴火でした。都城市はもちろん、宮崎県の職員にも火山の噴火や火山砂防の経験を持つ職員は皆無です。これは、大地震や津波、ゲリラ豪雨などにも言えることでしょう。


 このような低頻度災害については、国が全国の事例を基にした網羅的な知見を持って対応していく必要があります。その意味では、国の出先機関の果たす役割も大きく、出先機関改革の議論に危機管理の視点も必要です。


 また、国の災害対策のヘッドクォーターは内閣府に置かれています。しかし、各省庁の連絡調整機関であり、人数も十分ではありません。新燃岳対策の際、各省庁から一人ずつ職員が派遣された対策チームに常駐していただきました。この程度の規模の災害であれば十分に機能しましたが、東日本大震災のような大規模な災害にはとても対応できないと思われます。

 米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)がよく引き合いに出されますが、FEMAの長所欠点をよく吟味した上で、我が国独自の危機管理体制を構築すべきでしょう。各省庁への指揮監督権を付与した常設の機関であり、中長期的に専門性の高い人材育成を行えるような仕組みが必要です。


 今後、東海から南海トラフまでの広域巨大地震への対策が急がれます。

 ハード面では国土強靭化計画により、防災インフラの整備や老朽化施設の更新が着実に実施される必要があります。また、ソフト面の取り組みも「自助・共助・公助」の役割分担を国民に理解していただき、対策を充実させていかねばなりません。


 口蹄疫の発生後、民主党政権の農林水産大臣は外遊に出かけました。当初の危機意識の薄弱さが大きな被害を生んだと言えます。その10年前に口蹄疫が発生した時、私は県議会の担当委員長でした。自民党国会議員の方々が必死の形相で東奔西走していただき、国と地方・官と民が一体となって被害を最小限に食い止めました。

 危機管理はリーダーの判断で大きく結果が異なります。経験と実績を誇る自民党政権の中で、国民に信頼される危機管理体制を構築してゆきたいと存じます。

posted by 長峯誠 at 22:25| 災害対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする