7/29から参議院議員としての任期が始まりました。当選証書を明示し議員バッジをいただきました。しかし、議員会館はクリーニング中のため入室できないとのことで、松下新平事務所に荷物を置いて走り回っていました。
最初の公務は河野知事と各部長の要望活動でした。すべての部局から要望説明がありましたが、意見交換では交通インフラとTPPの話題が中心でした。その後も町村会や志布志道路などの要望活動を慌ただしくこなして行きました。
7/31にようやく議員会館802号室に入室することができ、文房具や台所用品などを揃え始めました。しかし、まだ議員宿舎が決まっていないのでしばらくはホテル暮らし(自腹)です。
8/2には本会議があり初登院となりました。秘書時代に奔走していた場所とは言え、県民の負託を受けて登院するのは全く重みが違います。身の引き締まる思いで議場へ入りました。
開会式には天皇陛下がご臨席されるため、荘厳な雰囲気の中で緊張感が漲っていました。
この間、地元の諸行事にも出席するため、東京・宮崎を往復するめまぐるしい日々が続いております。
まだまだ、国会議員として政策に関与する場面はありませんが、「習うより慣れよ」でリズムをつかんでいき、機を逸することなく自分なりの提言をしてまいりたいと存じます。
今回の選挙で皆様から頂いたご期待と、県議3期市長3期の経験を与えていただいたことへ、しっかりと報いることが私の使命だと思っています。自分の経験を決して過信してはいけませんが、一方で「新人ですのでゆっくり勉強させてただきます」というエクスキューズは許されない立場だと思っています。
今までもそうであったように、これからも目の前の課題にひとつひとつ誠実に取り組みながら、着実に足跡を残してまいりたいと存じます。
2013年08月05日
Let's get started!
2013年07月02日
憲法改正 その2
憲法論議については様々な論点がありますが、その中で私が一際関心を持っているのが、47条です。
「現行憲法」
47条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
「自民党改正案」
47条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない。
現在、一票の格差の憲法訴訟では憲法14条の法の下の平等に照らして、2倍以上の格差は違憲とされてしまいます。さらに2倍以内であっても、できるだけ1,0倍に近づける努力が求められています。
そこで47条を「人口を基本とし」とすることにより、機械的に人口のみに依拠することのない選挙制度を容認することができるようになるわけです。
もちろん、政権党が恣意的に、自分たちに有利な選挙制度を改悪することはあってはなりません。
しかし、単純に人口のみに依拠すれば、投票率60%の選挙区と30%の選挙区では、人口が同じであっても、投票者の一票の重みは2倍の違いが出てしまうのです。
また、機械的に一票の格差を是正すれば、地方の声はますます届かなくなってしまいます。47条の改正により、そこに幾らかの緩衝的な措置が可能になることは、政治の再配分機能を果たす上でも、非常に重要なことだと考えます。
2013年06月30日
憲法改正 その1
憲法にはたくさんの論点があるものの、96条の発議要件が厳格に過ぎるため、実際には一度も改正はされていません。
私は、最高法規たる憲法については、国民が改正の是非を判断できるようにすることが、国民主権に適うと考えます。
現状では、国民の過半数が改正を求めても、国会議員の1/3超の意見で改正(発議)を阻止することができます。すなわち、国民主権ではなく「政治家主権」の状態になっているのです。
したがって、まず、96条の発議要件を2/3から1/2に改正すべきであると考えます。
その後、他の論点については、国民的議論の熟度に合わせて、国会が適切な時期に発議し、国民投票にかけるのが穏当と考えます。
しかし、実際には国民投票で過半数を獲得するのはかなり難しいことです。発議要件を緩和したとしても、国民投票があることで、硬性憲法の性質は大きくは変わらないでしょう。
再度申し上げますが、私は「憲法を改正しやすくする」ために改正要件を緩和すべきと言っているのではなく、「国民が憲法を決める」ために緩和すべきという立場です。
しかし、ここで非常にパラドキシカルな推考が存在しえます。
衆参で2/3以上の勢力が96条の先行改正に賛同し、国民投票が行われたとします。しかし、最近の世論調査では、憲法改正自体には賛同が多いものの、96条改正は反対の方が少し上回っています。
そこで、96条改正が国民投票で否決されたとします。
すると、憲法改正を国民が拒否したということは、国民が現行憲法を承認したという理屈が成り立ちます。ここで「自主憲法制定」が理論上達成されたとも言えてしまうのです。
憲法を改正しようと進めた手続きで、憲法が改正できなくなるという珍妙な現象が起こってしまうのです。
こう言ったことを総合的に勘案すると、私は憲法改正についてはもう少し国民的議論を深めていく必要があると考えます。
余談ですが、憲法改正について自称「護憲」と呼ばれるスタンスがあります。しかし、社会主義や共産主義においては、憲法ですら共産党の指導のもとにあります。
社会主義や共産主義を標榜する政党が「護憲」を唱えることに、私は違和感を禁じえません。
2013年06月25日
アベノミクス
アベノミクスに対して批判的な意見がマスコミで多くなりつつあります。
まず、株価が乱高下していることでアベノミクスの崩壊と批判されています。しかし、黒川総裁が就任した時の13000円台に落ちたとはいえ、民主党時代は7000円台まで落ち込んでいたことを考えると、はるかに改善されており、この点を私たちは忘れてはなりません。
乱高下も一つの調整局面であり、大きなトレンドとしては確実に成長基調に入っていると言えます。
また、地方経済で実感が感じられないという批判もあります。
確かに円安で燃油価格や飼料価格が高騰し、第一次産業へマイナスの影響が表れていることは事実です。
しかし、地方経済の実感が感じられない最大の理由はタイムラグにあります。24年度大型補正と25年度当初予算を合わせた大規模な財政出動で、公共事業を通じて地方経済を活性化する見込みですが、現在、地方自治体はその実施へ向けて測量設計を行っている段階です。
それが終って、実際に本体工事が発注をされてくれば、財政出動の効果は確実に現れてきます。おそらく秋以降に効果が見え始め、忘年会シーズンには去年とは相当違った雰囲気になっていると思われます。
政権党への批判はマスコミの役割であり、それを批判するつもりはありません。おそらく、これから参院選投票日まで、自民党へのネガティヴキャンペーンが続けられていくでしょう。
しかし、アベノミクスはおそらく日本に残されたラストリゾートであり、このチャンスを失えば日本の再生は極めて困難になると考えます。
そして、アベノミクスを推進するには国民の理解と後押しが欠かせません。
いま、私たちは「記憶力」を問われていると言えます。民主党政権の経済失策を今一度思い出し、アベノミクスを応援していただきたいと存じます。
2013年06月22日
道州制
最初に結論を申し上げると、私は道州制には反対です。
どのような統治機構が望ましいかは、あくまで国民目線で考えなければなりません。しかし、都道府県制から道州制に変えたからと言って、国民の利便性が向上するとは到底思えません。
道州制には都道府県存続のケースと都道府県廃止のケースがあります。
都道府県存続であれば、二重行政が三重行政になり、膨大なコスト増を生むだけです。云わば中間マージンが増加するだけで、現在よりも非効率です。
都道府県廃止となれば、住民の利便性は著しく減殺されることになります。
今まで県庁に手続きや要望に行っていたのが、福岡(もしくは熊本?)の州政府に行くとなると、へき地離島のみならず、ほとんどの住民にとっては大変不便になります。
権限についても、国・県・市のそれぞれに相応しい権限を持たせるという原則に照らして、道州で行うのが最も合理的だという権限は限られています。
外交・防衛は国、産業政策・重要インフラは県、福祉・教育は市町村といった適性を考えると、九州府に任せるのに相応しい分野は「アジア向けの広域観光」ぐらいしかありません。
また、この議論を活発に主張しているのは州政府の所在地と目される自治体の首長が多いのも、不純なものを感じます。
ある知事は、道州制になれば州知事になるのは芸能人か事務次官経験者しかいなくなると言っていました。確かに頷ける指摘です。
さらに、もし九州府が福岡に置かれたら、職員はほとんど福岡市民になります。人口150万人の大都会の職員が、本当に九州全体のへき地離島までシンパシーを持った行政ができるのでしょうか。
国民が都道府県制に大いに不都合を感じて、道州制にすることでそれが必ず解決されるというなら推進すべきでしょう。しかし、そんな議論はほとんど見られません。道州制の議論は、まさに国民不在の典型例と言えるのではないでしょうか。
2013年06月17日
危機管理
災害や危機事象への対応は、災害対策基本法第5条に則り、最前線である市町村が責任を持って対応します。地理・資源・人脈に精通した市町村が第一義的に動くということは大変合理性のあることです。
しかし、私の経験上、いくつかの問題点もあります。
まず、低頻度の災害については知識や経験が不足しがちであることが挙げられます。例えば新燃岳は300年ぶりの大噴火でした。都城市はもちろん、宮崎県の職員にも火山の噴火や火山砂防の経験を持つ職員は皆無です。これは、大地震や津波、ゲリラ豪雨などにも言えることでしょう。
このような低頻度災害については、国が全国の事例を基にした網羅的な知見を持って対応していく必要があります。その意味では、国の出先機関の果たす役割も大きく、出先機関改革の議論に危機管理の視点も必要です。
また、国の災害対策のヘッドクォーターは内閣府に置かれています。しかし、各省庁の連絡調整機関であり、人数も十分ではありません。新燃岳対策の際、各省庁から一人ずつ職員が派遣された対策チームに常駐していただきました。この程度の規模の災害であれば十分に機能しましたが、東日本大震災のような大規模な災害にはとても対応できないと思われます。
米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)がよく引き合いに出されますが、FEMAの長所欠点をよく吟味した上で、我が国独自の危機管理体制を構築すべきでしょう。各省庁への指揮監督権を付与した常設の機関であり、中長期的に専門性の高い人材育成を行えるような仕組みが必要です。
今後、東海から南海トラフまでの広域巨大地震への対策が急がれます。
ハード面では国土強靭化計画により、防災インフラの整備や老朽化施設の更新が着実に実施される必要があります。また、ソフト面の取り組みも「自助・共助・公助」の役割分担を国民に理解していただき、対策を充実させていかねばなりません。
口蹄疫の発生後、民主党政権の農林水産大臣は外遊に出かけました。当初の危機意識の薄弱さが大きな被害を生んだと言えます。その10年前に口蹄疫が発生した時、私は県議会の担当委員長でした。自民党国会議員の方々が必死の形相で東奔西走していただき、国と地方・官と民が一体となって被害を最小限に食い止めました。
危機管理はリーダーの判断で大きく結果が異なります。経験と実績を誇る自民党政権の中で、国民に信頼される危機管理体制を構築してゆきたいと存じます。
2013年06月14日
TPP
本日、農民連盟のご推薦をいただきました。TPPについての大きなご不安がある中でのご英断に心から感謝申し上げます。
私は市長在任中、TPPについては交渉参加すら断固反対という立場でした。
日本が国際社会の中で自由貿易を進めていくことは必要なことです。しかし、国内産業への影響に十分配慮して、漸進的に進めていくべきだと考えます。したがって、二国間のFTAやEPAをじっくりと時間をかけて進めていくことは容認します。
しかし、TPPは(少なくとも安倍・オバマ会談以前は)「聖域なき関税撤廃」が前提でありました。
確かにすでに日本は世界の中でも関税を相当程度下げている国です。しかし、その日本であっても、いきなり関税をすべてなくすというのではあまりにも衝撃が大きすぎます。特に日本の食糧生産が壊滅的な打撃を受け、産業としての農業のみならず、食糧安全保障も守ることができなくなってしまいます。
かつて日本中にあった桑畑が見られなくなったように、水田が日本から消えてしまう。主食を自国民に保障できないということがあっていいのでしょうか。
尖閣問題の時に中国がレアアースの禁輸措置を取りました。主食を他国に握られているのでは外交すらできません。レアアースが「レアフード」になる懸念があるのです。
このような観点から私はTPP交渉参加も反対でありました。
しかし、交渉参加の是非は首相の専権事項であり、安倍首相は交渉参加を決断しました。
そうなった以上、交渉参加自体に反対を述べていても詮無いことです。政治家はアイデアリスト(理想主義者)であると同時にリアリスト(現実主義者)である必要があります。
今後は、交渉の中でどの程度聖域を守れるのか、どのような代償措置を日本政府が政策として打ち出すのか、厳しく注視してまいらねばなりません。また、状況に応じて断固たる行動も起こさねばならないと考えています。
2013年05月23日
所信=初心
私は今まで県議・市長として、地方自治の最前線で活動してまいりました。しかしながら、地方の抱える課題は一向に改善の兆しが見えません。
ここ数年来の地方分権も、概して言えば中央政府のリストラの色彩が濃いものでした。小さな権限は数多く移譲されましたが、財源・人員が伴わず、自治体は多くの「余計な」仕事を抱えるだけというケースがまま見られました。
また、少子化・高齢化に対する歯止めはかからず、規制緩和で商店街は壊滅し、一次産業の所得は低水準を強いられてきました。
補正予算と当初予算が執行され、自治体から受注者に支払いが行われるタイミングを考えると、今秋くらいから地方でも本格的に景気回復の実感が出てくるのではないかと考えます。
しかし、消費税増税も控えている中で、景気を継続的な回復基調に乗せていくためには、まだまだ油断禁物です。
「地方が元気になることで日本が元気になる」という思いで努力してまいります。